
約10年ちょっと前ぐらいからだろうか、インターネットが普及し、あらゆる会社やお店がホームページを作り始めたのは。
まだその時代は、大企業を除く世間のほとんどの会社がホームページを持っていませんでした。もちろんスマホも無く、ガラケーの頃です。
でもネットの急速な普及に伴い、訳も分からずビジネスするならこれからはホームページだ!と、一斉にホームページ制作ラッシュが始まったのです。
その頃の私はweb業界に入る前だったので、皆と同じように当時の事業でホームページを訳も分からず制作しました。もちろん、そのホームページは何の利益も生み出してくれませんでしたが、今考えれば当然の結果です。
当時は、ほとんどの会社がホームページを持っていないのですから、web制作は巨大な市場で、web制作会社もどんどん増え、お客さんも沢山いるのでweb制作業界は一種のバブルだったんではないでしょうか。
高額な制作費用でもドンドン契約が取れた会社も多かったと思います。
そのような制作ラッシュは勢いを弱めながら10年近く続いてきたと思います。
そして、いよいよ今から2年ほど前にラッシュも終わりを迎えた。というのが私の感覚です。
新たなホームページ制作の需要は殆ど無い
現在、ここ数年間事業を継続している殆どの会社は、すでに自社のホームページを持っています。
それでもホームページを持っていない会社もあります。でも、そういう会社はホームページを必要としていないんです。過去に何度も制作会社から営業電話がかかってきているはずです。友人知人から何度もすすめられているはずです。
それでも今まで作ってこなかったのは、必要無いからなんです。
なので、そういう会社は今後もホームページを作らないでしょう。
ということは、ちょっと大げさかもしれませんが、今現在事業を行なっている会社で新たにホームページを作る需要は全く無い、ということです。(もしあったとしても、その少ないところを狙うのはナンセンスでしょう・・・)
需要があるとすれば、別の事業を立ち上げるか、新しく作り直す(リニューアル)か、になります。
もちろん、新たに起業した会社からの需要はありますが、それでも過去のラッシュうに比べると圧倒的に数は少ないでしょう。
ちょっとまとめます。
■既存の会社の現状
1、ホームページあり(大多数)
2、ホームページ無し、今後も必要ない(少数)
3、別事業の立ち上げ又は、リニューアル(少数)
4、ホームページ無し、今後は作るかも(ごく少数)
■新規開業の場合
5、ホームページを作る予定(少数)
6、ホームページは必要ない(少数)
今後、ホームページ制作会社がホームページ制作を受注できるのは、3・4・5の可能性しかありません。
この3・4・5の割合が全体のどれぐらいで、実際の数がどれぐらいなのかはわかりませんが、決して多くはありませんし、そこだけをターゲットとするのはビジネスとして経営者として問題あり・・・のような気がします。
それでもホームページ制作会社は世の中に溢れるほどありますし、個人で請け負うフリーランスも増えてきています。
ホームページの制作業界では、とっくに需要と供給のバランスは崩れていると思います。
かくいう弊社もホームページを制作をしていますが・・・
今後のホームページ制作会社が進む道
では、これからホームページ制作会社はどのような道を進めばいいのでしょうか?
少なくともホームページ制作をメインとして生計を立てるという考えを捨てた方がいい。
極端ですが、ホームページ制作会社という業種が無くなってしまうんじゃないかと・・・
webを使って収益を上げる、そのサポートやアドバイスなどの総合的なコンサルティング業務のようなことが求められるんだと思います。
webを使って収益を上げるために、何を使うのが最適なのか?という選択肢の中に、ホームページがあり、そこでやっと「ホームページ制作もできますよ!」というスタンスぐらいが精神的にも経営的にもちょうどいいと思います。
ホームページの制作は、年々価格が安くなってきています。
そりゃそうです。制作会社は増えるのに、ニーズがあるターゲットが減ってきているんですから、安くしないと売れません。
しかも、安いのにクオリティの高さを求められます。。。
厳しいですよね。
あとがき
色々と書きましたが、私なりに考えてみた結果です。もちろん今でも新規の契約をバンバン取れてる制作会社もあります。ただ、そんな会社ほんの一部ですし、スゴイと思います。
うちの会社にもよく、ホームページ制作の営業電話が掛かってきます。電話口の後ろでは他のスタッフが大勢で電話している声が聞こえてきます。その人件費を考えるだけで、制作費用はバカ高いと予想できます。
それより最近多いのは、web関連を使用した集客や収益アップの営業電話です。
やはり世間の制作会社も、ホームページ制作の需要が減り始めたので収益アップの方へとシフトしているのかもしれません。
私も、激流のようなスピードで流れるIT業界の波に飲まれないよう必死で喰らい付いて行こうと思います。